目の不自由な方の日常を体験し、私たちにできることは何か?を考えよう
2024年6月8日(土)開催、カインズ朝霞店のくみまち学校へようこそ!天気の悪い日が多いイメージの6月。でも天気の良い夜なら、春の大三角など春の星座が見られるんです。知ってました?
星以外にも見て楽しむもの、見てわかることってたくさんありますよね。視覚から得る情報量は、なんと80%以上!今見えているものが見えにくくなったら、日常生活にどのような影響が出るのでしょうか。
今回は、視界が遮られた状態で点字ブロックを歩く体験を通して、目の不自由な人の日常について考えました。みなさんも状況を想像しながらご覧ください。
くみまち学校についての詳細はこちらをご覧ください。
今回の学習テーマは、「目が不自由な方の日常を体験し、私たちにできることは何か?を考えよう」です。私たちは表情やジェスチャー、歩いてくる人、信号などを目で確認しています。でも、みんなが同じようにはっきり見えているわけではありません。見えにくいとどんなことを不便に感じるのでしょうか?
まずはある日用品で考えました。
ボトルの〇〇で中身がわかる!?
テーマに沿ったクイズでは、ラベルを隠したボトルの中身を当てることに挑戦。シャンプー・リンス・ボディーソープのどれかをチームで話し合いました。
パッケージが見えないと何が入っているのかがわかりませんよね。「運で当てる!」なんて声も聞こえてきましたが、話し合いの結果は…
みんなよく見分けられました!答えはシャンプーのボトルでした。
実はボトルにある工夫がされていて、パッケージを見なくても中身がわかるようになっています。その工夫とは、ボトルについている“きざみ”です。
よく見ると側面にきざみがついていたり、ポンプの上がライン状になっていたりしますね。
おうちにあるボトルもこのようになっているはず。これが画期的な工夫なんです!
“誰でも使いやすく”を実現したユニバーサルデザイン
今回ご協力いただいている花王株式会社さんは、「目が不自由なので容器に工夫をしてほしい」「洗髪時、目をつぶっていても区別がつくといい」といったお客様の要望に応えるため、1989年から容器の研究をしてきました。そして“きざみ(ギザギザ)”や“ライン”のついたボトル、詰め替え用袋が誕生したのです。
※JIS規格(日本の国家規格)にも採用!:kaoシャンプーのきざみに込められた思い
これらはユニバーサルデザインと呼ばれます。聞いたことのある方も多いのではないでしょうか。
「すべての人のためのデザイン」を意味し、年齢や障がいの有無などに関わらず、最初から できるだけ多くの人が使うことができるようにデザインされています。
他にも、目の不自由な人をサポートするための仕組みがいくつもあります。その中のひとつが点字ブロックです。建物の入口や横断歩道の前、駅のホームなど様々な場所に設置されていますね。
次のワークで詳しく学んでいきましょう!
安全に辿り着けるかな?〜点字ブロックで道を作ろう〜
みなさんは、点字ブロックの種類をご存知ですか?子どもたちに聞いてみると、3種類か4種類で意見がわかれました。
これは難しい問題だったかもしれませんね。正解をお伝えすると、点字ブロックは2種類。
進む方向を示すブロック・危険な場所を示すブロックです。
※もっと詳しく知りたい方は、こちらもあわせてご覧ください
埼玉県HP点字ブロックは視覚障害者の命綱です
なぜ点字ブロックが重要なのか。視力が良くないと周りが白く濁って見えたり、暗く感じたりしてはっきり見えない場合があります。そうすると、迫ってくる自転車や足元の障害物に気づけないなど、危険がたくさん。
そんな危険から守ってくれるのが点字ブロックです。2種類のブロックを組み合わせ、安全に進める方向や止まらなければいけないところを教えてくれる大切な役割があるのです。
では、どのように配置すれば安全に目的へ到着できるでしょうか。チームで協力して道を作ってもらいました。
「迷子にならないように」「(曲がるときは)ここで一旦止まって」「線路は全部注意ブロック」など、歩く人の立場で考え、意見を出し合いながら道を作っていきます。どんな道ができたのか、いよいよ発表です!
どちらのチームも、危険なのは踏切と自転車だと気づけました。想像力を働かせて考えられたからですね。線路を注意ブロックで囲むという斬新な発想も、自由に考えて意見できるくみまち学校の環境だからこそ出てきたのかもしれません。それでは正解を見てみましょう!
ここでのポイントは「自転車」です。実際の歩道でイメージしてください。点字ブロックを移動することはできるでしょうか…?そう、自転車は動かせますが、点字ブロックは移動ができないのです。駅前の道に注目すると、本来は点字ブロックがあるべき場所に自転車が置かれています。これでは目の不自由な方が困ってしまいますよね。実は、私たちの気づかないところで困っている人がいるかもしれません。
次のワークでは、具体的にどのようなとき困ったと感じるのかを体験し、自分にできることがないかも考えます。
点字ブロックを歩いてみよう〜アイマスクと白杖を使って体験〜
点字ブロックの役割がわかったところで、今度は実際に点字ブロックを歩いてみました。使うのはアイマスクと白杖。“白杖(はくじょう)”とは、目が見えにくい、または見えない人が歩くときに使う杖です。
ちなみに、頭上50cm程度に掲げるのが助けを求めているサインです。このサインをしていなくても、「危ないな」「困っていそうだな」と思ったら、お声がけをしてくださいね。
では、体験場所であるカインズ朝霞店敷地内の駐車場へ移動し、体験スタートです。点字ブロックの周りには人がいて、フェンスもあります。さあ、白杖を頼りに歩いてみよう!
「(足で踏んで)こっちだ!」「難しすぎない!?」と、白杖で道を判断するのに苦戦した様子だった子どもたち。体験後に感想を聞いてみました。
周りの様子を探る役割の白杖ですが、使い慣れないと点字ブロックを認識するのは難しかったようです。他にも、「自分が思っていた1000倍わかりにくかった」「点字ブロックに物があったとして、白杖を使えばわかったかも」「でこぼこしているだけの道みたいな感覚」などの意見が。
人は情報の80%を目から得ていると言われています。だから歩いたのは短い距離なのに、長い距離を歩いたように感じたり、怖くなったりするんですね。もし、点字ブロックの上に自転車が停められていたり物が置かれていたりしたら、更に歩行が難しくなります。
みんなの安全を守るため、点字ブロックをふさがないようにしましょう!
様々な人が一緒に暮らす社会で、私たちにできること
視覚ではっきり認識しづらい人は、30万人を超えます。見え方に個人差はあるものの、支援を必要としている人がいること、私たちができるサポートもあることを実感できる授業になったのではないでしょうか。
目の代わりになって安全な歩行ができるよう助ける点字ブロックが、とても大切であると同時に、白杖を使って歩くのは想像以上に難しいという事実も認識できましたね。
今回の内容が、“相手の立場になって考え支え合う気持ち”に繋がったら嬉しいです。
子どもたちはどのように感じたのか聞いてみました。
「白杖があってもわかりにくい」「周りへの配慮をしていきたい」など、課題に気づき相手を思いやる気持ちがもてたとの感想が多かったです。誰かのために自分が行動したい、と思えたのが授業での大きな収穫でしたね。
自由に楽しく、自分らしくいられる授業へのご参加、ありがとうございます。勉強は苦手だから参加しにくい…そんな心配はいりません!正解するのが大事ではないんです。自分の意思を伝えることや相手の言葉を受け入れること、そして課題解決のために協力し合うことを大切にしています。
子どもたちが自ら考えコミュニケーションをとり、社会課題への理解を深める時間。新しい学びの形をぜひ体験してください。
次回の授業もお楽しみに!
↓他の店舗の様子
浦和美園店では出会いがしらを体験してみました!
協力・後援:さいたま市社会福祉協議会
ご参加いただいた皆様、
ありがとうございました!
講座概要
※本講座は開催終了しております
後援:朝霞市教育委員会・新座市教育委員会・さいたま市教育委員会日程 |
朝霞店 2024年6月8日(土) |
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開催時間 | 午後のみ 14:00~15:30 |
対象年齢 | 小学4年生~6年生(小学3年生以下はご兄弟が小学4年生以上の場合のみ参加可能となります。応募者多数の場合は、小学4年生以上を優先とさせていただきます) |
参加費 | 500円(後日アンケートにお答えいただいた方にカインズポイント20ポイントプレゼント) |
参加方法 | オンラインからのお申し込み |
募集期間 |
朝霞店~2024年6月5日(水)正午まで |
準備物 | 特になし。お気軽にお越しください |
定員 |
朝霞店・新座店 各部先着20名 |
特記事項 | 新座店へのご参加をご検討されている方へ:犬のしつけ方教室の近くまたは中で開催するため、犬アレルギーの方はご注意ください。(当日のしつけ方教室開催はありません) |
カインズ朝霞店
開催日時・場所 | 2024年6月8日(土) 埼玉県朝霞市根岸台3丁目20番地1号 カインズ朝霞店 3階特設会場[map] |
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講師 |
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カインズ新座店
開催日時・場所 | 2024年6月15日(土) 埼玉県新座市大和田2丁目6番32号 カインズ新座店 2階特設会場 [map] |
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講師 |
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カインズ浦和美園店
開催日時・場所 | 2024年6月15日(土) 埼玉県さいたま市緑区美園1丁目11番地1 カインズ浦和美園店 2階[map] |
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花王グループカスタマーマーケティング
からのメッセージ
このたび、「くみまち学校」を通してカインズ様と一緒に、子供たちの”生きる力”を育むことに貢献できたこと、大変うれしく思っています。私たち”つくる”側の努力と、”つかう”皆様の工夫が、この問題の解決の大きな力になると考えます。子供たちの生きる未来が、すべての命が輝く豊かな共生社会であるよう、花王グループはこれからも努力してまいります。
CAINZからのメッセージ
私たち1社でできることは限られていますが様々な共感企業さまと「くむ」=「共創」することによって今後地域で生まれる様々な課題に対して共に解決することを「くみまち構想」として取り組みを開始いたしました。今回は健康という分野で花王さまと未来のまちに生きる子供たちに向けた講座を開講できることとなり大変嬉しく思っております。